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Thursday, January 5, 2012

すべてのIT技術者に捧ぐ、生き残りをかけた英語学習戦略 2012年版

今年の目標で、英語力の向上を設定しました。
自戒を込めて、英語学習の方針をまとめます。

前口上

未だかつてないほどに英語の重要性が声高に叫ばれていますが、私は日本人の9割に英語はいらないという主張に同意します。

英語学習には間違いなく時間がかかります。それもかなりの時間が。その上ものすごく時間をかけて手に入れられる英語力は、ネイティブには遠く及びません。
加えて、日本は英語が使えなくてもそれほど困らずに生活できます。有用で(よく売れる)書籍は日本語に訳されますし、海外旅行に行っても対日本人の環境はよく整備されています。

将来的に日本語が亡びるときがやってくる可能性は否定できませんが、20代から30代の人間が現役でガツガツ仕事をしているであろう先4,50年程度の間にその時が来ないであろうと考えるのは、楽観的すぎではないと思います。また、日本語が滅びたときに英語が出来ればいいかどうかはまた別の話です。そのときに必要なのは中国語やロシア語かもしれませんしね。

英語学習は非常にコストが高い行為であり、それは英語ができればレトリックなしに自身の世界は広がりますが、英語ができることのリターンはその人の置かれる立場によってだいぶ違います。本当にその人が必要な場合は通訳をつければいいだけですし、英語を学ぶ間に本業でスキルアップしてそのような必要な人になる方が、仕事が出来ずに英語ができるようになるよりもよほど有用であることは皆さんが同意するところだと思います。

何がいいたいかというと、大切な時間を使って手に入れた英語力が思ったほどのリターンを得られないケースは多分にあるため、英語を学習する場合は、本当に自分に必要かどうか、英語を勉強している間に好きな日本語の本を読んだり字幕で洋画を見ている方が幸せな人生を過ごせるのではないか、本業のスキルアップに勤しんだほうが本質ではないかと自問し、慎重にコトに当たるべきということです。

そのため、英語が好きで好きでたまらない人(たまにこういう人はいます)を除けば、いやいや英語を勉強する必要は全く無いです。


しかし、もしあなたが技術を生業にしている人であれば、話は別です。プログラマであれば、デザイナであれば、話は別です。どんなに英語が嫌いであっても、どんなに時間がなくとも、英語を学ぶ必要があります。

それはなぜか。

英語ができることがアドバンテージではなく、英語ができないことがディスアドバンテージになってしまうからです。

私は思います。
技術者にとってもはや英語学習は自己啓発ではなく、生存戦略であると。
余暇の行為ではなく、生き残りをかけた戦いであると。

この意志をもって、私は今年英語力向上を目指そうと心に決めました。
その方針を共有しますので英語学習に頭を悩ませる全ての技術者のお役に立てれば幸いです。

  • 動機づけ
  • 一般的な英語学習なるものと英語学習戦略
  • 戦略・具体的にやるべき事(生き残り編)
  • 戦略・具体的にやるべき事(英語を武器にする編)
  • 教材・参考図書まとめ



動機づけ

前口上で英語ができないことはディスアドバンテージになるといいました。
まずは危機感の共有による動機づけから。以下の記事がとても参考になります。

日本人技術者が洋書を読まなければならない時代
  • 先端分野を中心に,日本語訳されない本の比率は高まっていくだろう
  • 翻訳されない/翻訳に時間がかかるオープンソースなどを使う際は,公式ドキュメントを自分で読むくらいしか無い.そしてそれは英語で書かれている事が多い.そういう分野では英語も読めない技術者は役立たずであり,そういう分野は今後増えていくだろう.
  • IT技術者は英語を勉強すべき.英語ができないのを言い訳にしていては,常に数年~10年以上の後れが出るため,圧倒的に不利になる.
  • 英語は努力で身に付けることのできる技術である.が,努力しない奴が身につけることができない技術でもある.
技術進歩が激しく、様々な実装が存在するような分野において、ソースコード以外の有用な読み物は公式のドキュメントであり、まず間違いなく英語です。

私のよく使うRailsも開発サイクルが非常に短く、最新バージョンに関する情報をGoogleで検索すれば、出てくるのはほぼ英語のブログかStackoverflowです。
2010年8月29日 バージョン3.0リリース
2011年8月31日 バージョン3.1リリース
Ruby on Rails - wikipedia
IT技術者で英語が理解出来ないということは、それだけでレガシーな技術しかわからないことの証左になってしまう世の中が来ています。

では、すべてのIT技術者が英語を自由自在に使いこなす必要があるでしょうか。TOEIC900点が必要でしょうか。

答えはNoです。

私はIT技術者向けの英語学習戦略があると信じています。
引き続き、その英語学習戦略と具体的な方法論、学ぶべき内容について述べていきます。


一般的な英語学習なるものと英語学習戦略

私も様々な英語学習を試してきました。普通乗用車が新車で買える程度には費やしてきたと思います。
胡散臭いものも含めて様々なものを試しましたが、現時点で私は英語で本当に重要なのは、以下二点だと結論づけています。

  • 暗記
  • (肉体的な)反復トレーニング

身も蓋もありませんが、英語学習に銀の弾丸はなく(まるで魔法のように英語が喋れるようになるという学習法があった場合は疑ってください)、地道な暗記と反復が必要だと考えています。そして、それには膨大な時間がかかります。

英語力を分類すると、よく以下の4つの能力に分類されます。

  • Reading
  • Listening
  • Writing
  • Speaking

英語学習は様々な学習方法があり、とても複雑だと感じるのは私だけではないと思います。そしてその原因は、様々な英語学習方法が4つのそれぞれの能力を複合的に鍛えるものだったり、取り組む段階や俯瞰的なロードマップが提示がされないことだと考えています。

すなわち、英語学習の複雑さは、何を、どの程度、どのような順序でやるべきかの判断がとても難しいことに起因します。

その中で、私たちは限られた時間という資源を、なんらかの目的を達成するために費やすことになります。
そこには明確な戦略があるべきだと、私は考えています。

次から、私が考える英語学習の戦略を、生き残り編と英語を武器にする編に分けてご紹介し、それぞれにおいて具体的に実施すべき内容を示します。

戦略・具体的にやるべき事(生き残り編)

IT技術者として生き残っていくのに最低限必要な能力は、技術書や公式サイト、ブログの記事が読み下せる程度のReading能力です。
そして、その程度のReading能力を身につけるのは、これまた身も蓋もありませんが以下2点の暗記です。
  • 単語
  • 文法
ディクテーション、シャドウイング、リテンションなんかは捨ててください。リスニングすらも不要です。単語と文法だけでいいです。


それでは、「何を」、「どの程度」暗記すればよいかについてです。
具体的には、3冊の本を暗記してください。

単語


単語に関しては、究極の英単語SVL <Vol.1>と<Vol.2>を、日本語を見て英単語が、英単語を見て日本語の意味が一瞬で思い出せるまでに暗記してください。

レベル別語彙リストがアルクのサイトから確認できるので、Vol.1が簡単すぎる人はVol.2だけやってもいいと思います。

有名な単語帳としてDUO 3.0もとてもいいのでオススメです。

ただ、個人的に究極の英単語SVLシリーズのほうが、同じシリーズでより上位レベルの単語帳があるので気に入っています。

後述しますが英単語に関しては、究極の英単語SVLのVol.1からVol.4までの四冊を完全に暗記すればよさそうなので(私はまだ暗記していないので予定、ですが)、終わりが見えている感じがしてできそうな気がしませんか?

文法


文法に関しては、英語リーディング教本を、本文内の練習用テキスト38文に関するQ&Aによどみなくスラスラ回答出来る程度に暗記してください。

先に言っておくと、本書は決して読みやすい本ではありません。

しかし、本書の内容を理解すると、いや、理解せずQ&Aを暗記して回答できるようになるだけで(本書にもそれでも効果があると記述されています)、英語の文書構造理解に対して確固たる自信が持てるようになります。


以上の3冊に取り組むだけで良いです。

もちろん完全に暗記できれば素晴らしいですが、たとえ内容の何割かしか暗記できていないとしても、最低限のReading能力を身につけることができたと言えます。

ここまで来れば、英語がディスアドバンテージになることはありません。
あなたは英語ができないレガシーな技術者を尻目に最新の技術を英語で調査し、新しい情報を洋書で読むことができます。

しかし、ここまではマイナスをゼロにするための生存戦略です。
英語をアドバンテージにするためには何をすれば良いのか、その戦略と具体的にやるべき事について述べたいと思います。


戦略・具体的にやるべき事(英語を武器にする編)

まず、英語を武器にするには、生き残り編で費やした時間以上の時間が必要であることを覚悟してください。

しかし、一度その武器を手に入れた時、頭ひとつ抜きでた技術者になれることは間違いありません。それは、英語圏のエンジニアに比べたとしてもアドバンテージがある状態になります。
なぜなら、英語圏のエンジニアに対して私たちは既に日本語という非常に強力な武器を持っているからです。

英語学習の戦略において、重要なのは以下の二点であると先に述べました。
  • 暗記
  • (肉体的な)反復トレーニング
生き残り編ではReading能力向上のみにフォーカスしていたため、暗記だけ考えていればよかったですが、英語を武器にする編では反復トレーニングが必須になってきます。

<暗記>
単語(上級)



基本的には生き残り編の続き、究極の英単語SVL <Vol.3>と<Vol.4>を、日本語を見て英単語が、英単語を見て日本語の意味が一瞬で思い出せるまでに暗記してください。Vol.4まで必要かどうかはレベル別語彙リストの水準をみて判断してください。

文法
生き残り編でマスターした内容が理解できていれば、困ることはなさそうです。

英文
生き残り編では出て来ませんでしたが、英語を武器にするためには、英文の暗記が必要不可欠です。これは、特にWriting、Speaking能力に直結します。
ノンネイティブである以上、自然な英文を作文することは非常に難しいです。そのため、英文のパターンを暗記し、適切な場面で利用することが必要になります。(村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける では英借文と表現されています。)

正直なところ、英文暗記に関しては終わりなき学習だと思っています。
英単語や文法と異なり、何を、どれだけ暗記する必要があるかを一概に言うことは難しいです。
そのため、ここでは私が利用した本の中で英文暗記にオススメの何冊かを挙げるに留めておきます。



本書はビジネスシーンでよく使われる100の言い回しが紹介されています。
私自身、アメリカに来てから本書で覚えた英文は何度も利用しており、とても実用度の高い内容であるといえます。



英会話ペラペラビジネスは簡単で実用度が高い半面、Writingに用いるには少し短かったり、話し言葉だったりします。本書は英作文のテキストですが、


<(肉体的な)反復トレーニング>


ListeningとSpeakingは、数学や国語のような学問よりもスポーツに近いと考えています。
必要なのはインスピレーションや理論の理解よりも、反復トレーニングです。
どのようなトレーニングが適切かは英語上達完全マップの方法論が最も有用でした。




上記書籍の内容は、英語上達完全マップのサイトでもかなり読むことができますので参考にしてください。
実施すべきトレーニングは、音読パッケージと、瞬間英作文です。


音読パッケージ(リテンション・シャドウイング)
音読パッケージのやり方は、サイト:音読パッケージを参照してください。
このトレーニングにより、主にListening能力、Speaking能力がアップします。
音読パッケージの素材としては以下がオススメです。



ちなみに、音読パッケージはとてはとても負荷の高いトレーニングです。
最初のうちは数センテンスでも覚えてリピートするのは難しいと思います。シャドウイングしても全然舌が回らないことでしょう。ただ、これは筋トレのような他のトレーニング同様、繰り返すことで必ずできるようになります。
諦めず、根気よく取り組むことが重要です。


瞬間英作文(短文暗唱)
瞬間英作文のやり方は、サイト:瞬間英作文を参照してください。
このトレーニングにより、主にSpeaking能力がアップします。
瞬間英作文の素材としては、以下がオススメです。




これらの戦略によって継続して英語学習を続けることによって、英語を武器にすることができるでしょう。私自信も上記の戦略によって英語学習を続けている道半ばのIT技術者なので、

最後になりますが、とても興味深い、そして身も蓋のない記事を引用して締めくくりたいと思います。
むかし村上春樹が書いてた、英語が読めるようになるほとんど唯一の方法、というか「生き方」

たいていの英語学習法は、程度の差こそあれ、とりあえず効果はある。
差があるといっても、大したものではない。あっても、せいぜい10倍くらいだ。
大きな差が生まれるのは、つまるところ、続けるか/やめるか、やるか/やらないかの違いからである。
英語有りの人生を選び続けるかどうかだ。
選ばないのも、もちろん有力な選択肢だ。人生には、英語より有益で、しかも楽しいことがたくさんある(たとえば、水泳とか)。

IT技術者であることを選んだ時点で、否応なく英語ありの人生を選び続けることになります。
どうせ付き合わなければいけないのであれば、いやいやではなく、有益で楽しいものとして付き合って行きたいと私は思います。

教材・参考図書まとめ
以下に教材・参考図書をまとめておきます。

生き残り編
<暗記>


英語を武器にする編
<暗記>


<反復トレーニング>


  


その他

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